最高裁判所第三小法廷 昭和40(あ)2229 判決
主 文
本件各上告を棄却する。
当審における未決勾留日数中六〇日を被告人Aの本刑に算入する。
理 由
被告人Bの弁護人佐々木哲蔵の上告趣意について。
所論中には違憲をいう点もあるが、実質は事実誤認、単なる訴訟法違反および量
刑不当の主張に帰し、刑訴法四〇五条の上告理由に当らない。
被告人Bの上告趣意(違憲裁判の申立書と題する書面による趣意も含む)につい
て。
所論は、憲法三七条二項違反をいうが、同条項は被告人側より申請された証人に
つき、事実審裁判所が健全な裁量によつて不必要と認めたものまでも取り調べるこ
とを要求している趣旨でないことは、大法廷判決(昭和二二年(れ)第二三〇号同
二三年七月二九日宣告、刑集二巻九号一〇四五頁、同二三年(れ)第八八号同年六
月二三日宣告、刑集二巻七号七三四頁)の判示するところであり、記録を調べても、
原審が所論証人申請を却下したことをもつて違法不当と認むべき資料は存在しない
から、右違憲の主張は理由がない。所論は、また、憲法三八条違反をいうが、原審
で主張判断を経ていない第一審判決の採証に対する非難であつて、上告適法の理由
に当らない(所論Aの捜査官に対する供述が強制、誘導等に基づく不任意のものと
認むべき資料は記録上見出されない。)。その余の論旨は、違憲をいうけれども、
実質は、事実誤認、単なる法令違反、再審事由ないし量刑不当の主張に帰し、刑訴
法四〇五条の上告理由に当らない。
被告人Aの弁護人内藤徹の上告趣意について。
所論は、量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由に当らない。
被告人Aの上告趣意について。
- 1 -
所論は、事実誤認、量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由に当ら
ない。また、記録を調べても刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて、同四〇八条、被告人Aに対し、なお刑法二一条により、裁判官全員一致
の意見で、主文のとおり判決する。
昭和四一年四月二六日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 横 田 正 俊
裁判官 五 鬼 上 堅 磐
裁判官 柏 原 語 六
裁判官 田 中 二 郎
裁判官 下 村 三 郎
- 2 -